Fields L-5C Model 1970年代製 Hold

日本のギタービルダーの歴史を語る上で欠かせない名工、田原良平氏。日本のアーチトップやフラットマンドリン製作の黎明期から活躍し、1990年代後半に亡くなるまで制作活動を続けた氏のノウハウは、田原楽器の工房や機械をそのまま受け継いだ当時のお弟子さんであるSumi工房主宰の鷲見英一氏に受け継がれ、現代に息づいています。
今回入荷の一本は、そんな田原楽器が製作を担当したブランド、Fieldsです。このFieldsブランドではF-5モデルのマンドリンを日本の中古市場で見かける事はあっても、このL-5Cモデルを見る事はまずありません。それもそのはず、鷲見さん曰く、当時はそんなに需要がなかったので多くても10本程度しか作らなかったとの事。そんなスーパーレアなギターが入荷してきました。
1970年代の日本製アーチトップギターで、ここまでの完成度で製作されたギターは見た事がありません。それだけ良く出来たギターですが、当時のトラスロッドは効きが甘いため、Sumi工房にてトラスロッドの入れ替えとフレット交換、バインディング交換、ネックの再塗装を行い、現在はUSA Kent ArmstrongのミニハムPUがフローティングマウントされています。ボディは割れもなく、非常に良いコンディションを保っています。
新品のSumiブランドのアーチトップとこのFieldsを改めて比較してみると、手の込んだビンテージ風の塗装の手法、丁寧に組み上げられたボディや重厚な生鳴りなど、現在のSumi工房に連綿と受け継がれている部分と、当時とは違う材の選択や鷲見さん独自の解釈で削り出すトップやバックなど、新たに付け足され進化した部分とがあって非常に興味深いです。ちょっと言い過ぎかもしれませんが、まるでビンテージギターらしいD'AngelicoとモダンなD'Aquistoを比較するような感覚でしょうか。
ちなみにSumi工房で作られるL-5Cモデルの型は、未だにこのモデルの時に作ったものを使っているそうで、当時の鷲見さんはバインディング巻き、セットアップを担当し、材の削りは田原氏が担当していたそうです。
これがなければSumiブランドもなかったかもしれない、日本のD'Angelicoが作ったギター日本史を飾る孤高の一本。Sumiブランドで同じものを注文すると60万オーバーですのでかなりお買い得なプライスです。お早めにどうぞ。

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