Gypsy Jazz
Kiso Suzuki Oval Model 1970年代製
1970年代製と思われる日本製マカフェリです。内部ラベルやロゴなど一切ないのですが恐らく木曽鈴木製。ボディサイズはオリジナルセルマーとほぼ同じです。
当時のコピーモデルって、よく写真から型を起こして作ってた、なんて言われてますが、これだけオリジナルと同じ寸法のギターを写真から作るのはちょっと難しそうなので、参考になるギターが手元にあったか、もしくはオリジナルの設計図を入手したか、いずれにせよ何かしら参考になる資料があったのではと思われます。ヒール形状がオリジナル同様にテーパーがかかっているところなんて、よくここまできっちり作ったなと思われる箇所で、写真のみからではなかなかコピーしきれない部分。
ただ、スケールが12フレットDホールと同じ645mm(オリジナルは670mm)だったり、内部のブレイシングやサウンドホールの形状などに明らかな違いがあり、何かを参考していたとするならば、意図的に仕様を変更して作ったと思われる部分もあり、今となっては消滅してしまった工場のため、このギターの生い立ちを知る由もない謎の残るギターでもあります。
サウンドホールは一回り大きめです。しかもロゼッタ(口輪の飾りつけ)はセルマーというよりもファビーノに近い感じ。ヘッド形状もファビーノっぽいシェイプです。
サイド&バックの合板はセルマー同様に外側がインディアンローズ、内側にマガホニーを使った合板を使用しており、ボディ内部のライニング(蛇腹形状の補強)はカッタウェイ部とボディ部とでナゾに2種類を使い分けていたりします。いずれにせよ50年以上前に作った国産のコピー品の中では相当良く出来た一本です。
元々ついていたテールピースは、フルアコに使われるブランコテールピースがついていましたが、当店にてマカフェリ用のモノに、ブリッジはフランスのDupont製に交換。結果ド派手な音というよりは全域で甘いサウンドで、ルックス同様になんだかオールド・ファビーノっぽい感じになりました。これなら現代でも十分使えそうです。
ボディの塗装表面に部分的に小さい白濁が見られるものの、フレットの減りもなく、大きな傷もなくコンディションは上々。
誰ともカブることがない唯一無二の国産ビンテージマカフェリです。
¥90,000 <¥99,000 w/tax>
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